虫の研究室
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こん虫・がい虫なるほど情報室
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はたらきもののアリは、どうぶつや虫の死がいを食べてそうじしてくれる、だいじな虫なんだ。でも、ハチとおなじようにさすこともあるから気をつけてね。
アリ
膜翅目
(
まくしもく
)
(ハチ目)
アリ科
膜翅目
(
まくしもく
)
(ハチ目)には約100の
科
(
か
)
があるが、ほとんどがハチのなかまで、アリのなかまはアリ
科
(
か
)
しかない。
1mmより小さいものから20mmをこえるものまでいろいろいるよ。
春から秋まで見られる。
地面
(
じめん
)
や木の上などを、エサをさがして歩きまわっているんだ。
アリのなかまは日本だけでも277しゅるいがしられているんだ。世界じゅうではおよそ8,800しゅるい。わたしたちのまわりでふつうに見かけるしゅるいとして、クロヤマアリ、アミメアリ、トビイロケアリ、ルリアリなどがいるよ。
アリの
巣
(
す
)
は
交尾
(
こうび
)
した1ぴきの女王アリによってつくられる。女王アリの生んだタマゴは、ふつうは
働
(
はたら
)
きアリ(すべてメス)となるんだ。1年のうちある
時期
(
じき
)
になると、
羽
(
はね
)
アリが生まれてくる。
羽
(
はね
)
アリはオスとメスがあり、
交尾
(
こうび
)
したメスは
羽
(
はね
)
をおとして
新
(
しん
)
女王となる。オスはすべて死んでしまうんだ。
羽
(
はね
)
アリのうまれてくる
時期
(
じき
)
は夏がおおいが、しゅるいによっては秋に生まれてくるものもいる。
女王アリは10〜20年くらい生きるが、
働
(
はたら
)
きアリは1〜2年、オスアリは1ヶ月くらいのじゅみょう。
おおくのアリの
成虫
(
せいちゅう
)
はあまいものが好きだが、
幼虫
(
ようちゅう
)
は
肉
(
にく
)
や虫などのたんぱく
質
(
しつ
)
が
必要
(
ひつよう
)
。なかには、
雑草
(
ざっそう
)
の
種子
(
しゅし
)
を食べるアリ(クロナガアリ)、キノコを
栽培
(
さいばい
)
して食べるアリ(ハキリアリ)などもいる。
しゅるいによって住んでいるところはさまざまで、土の中、石や木の下、
朽
(
く
)
ちた木の中などに
巣
(
す
)
をつくるしゅるいがいる。家の中のいろいろなすき間に
巣
(
す
)
をつくるしゅるいも。
アリはメスを中心とした
社会集団
(
しゃかいしゅうだん
)
をつくってくらす
社会性
(
しゃかいせい
)
こん虫で、タマゴをうむのは女王だけ。
交尾
(
こうび
)
がおわるとオスはすぐに死んでしまうけれど、
精子
(
せいし
)
は女王の体の中で生きつづけるので、1回の
交尾
(
こうび
)
で20年間も
受精卵
(
じゅせいらん
)
をうむことができるんだ。女王アリは
受精卵
(
じゅせいらん
)
と
未受精卵
(
みじゅせいらん
)
をうみわけることができ、
受精卵
(
じゅせいらん
)
から生まれてくるのはすべてメスで、おおくは
働
(
はたら
)
きアリとなる。新女王となるのはメスの
羽
(
はね
)
アリ。
未受精卵
(
みじゅせいらん
)
はすべてオスの
羽
(
はね
)
アリとなるんだよ。
アリによる
被害
(
ひがい
)
にはつぎのようなものがあるよ。
●さされたり、かまれたりする
害
(
がい
)
ハリアリやクシケアリのなかまにはハリをもっているものがあり、ハチとおなじようにさすことがある。外国にはファイヤーアントという、かまれるととても
痛
(
いた
)
いアリがいるぞ。
●家の中に
侵入
(
しんにゅう
)
する
害
(
がい
)
えさを求めて家の中に入りこむしゅるい(ヒメアリ、アメイロアリ、トビイロケアリなど)や、家の中に
巣
(
す
)
を作るしゅるい(イエヒメアリ)がある。これらのアリは、みために
気分
(
きぶん
)
がよくないだけでなく、いろいろな食べ物にたかってダメにしたり、人をかんだりするという
害
(
がい
)
があるんだ。
●
電気機器
(
でんききき
)
をこわす
害
(
がい
)
しんごうき、でんわき、じどうしゃの
部品
(
ぶひん
)
、パソコンなどにアリが入りこんでこわしてしまうという
被害
(
ひがい
)
をあたえることがある。
●
羽
(
はね
)
アリによる
害
(
がい
)
夏になるとたくさんの
羽
(
はね
)
アリが明かりのあるところにとんでくる。お店のなかに
羽
(
はね
)
アリがはいりこむと、お客さんはいいきもちがしないので、お店にとってはとてもめいわく。
食べものやクスリをつくる
工場
(
こうじょう
)
では
羽
(
はね
)
アリがはいってしまうとたいへんなので、そうならないように、とても気をつけているんだ。
家の中に入り込んだアリには「
アリフマキラー
」などをふきかけたり、「
巣のアリまとめて退治
」などをアリのとおり道や出入りしているところにおいておく。家にはいらせないためには、「
わる虫フマキラー粉剤
」などを家のまわりにまく。
そとで
巣
(
す
)
をみつけたら、「
アリカダン巣のアリ退治液剤
」などを
巣
(
す
)
にまく。
アリはどうぶつや虫の死がいを食べてそうじするという
役割
(
やくわり
)
をもっている。また、クモやアリジゴク(ウスバカゲロウのよう虫)などのエサとなる。とくに
羽
(
はね
)
アリはヤモリ、カエルなどおおくの
肉食性動物
(
にくしょくせいどうぶつ
)
にとってだいじなエサで、
生態系
(
せいたいけい
)
をささえているんだよ。
アリの中にはチョウを育てるものがいる。例えばクロオオアリはクロシジミというチョウのよう虫を
巣
(
す
)
にはこんでエサをあたえてそだてる。クロシジミのよう虫はせなかにある
蜜腺
(
みつせん
)
から
蜜
(
みつ
)
をだし、アリはその
蜜
(
みつ
)
をのむことが大すきなようだ。
そのほかにも、キマダラルリツバメ、ゴマシジミなどといったチョウがアリにそだてられることがしられている。なかにはアリのよう虫を食べてそだつチョウもいるそうだよ。