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アシバガバチ、ベッコウバチ、ツチバチ、クマバチ、ミツバチ/ハチのしゅるいは全世界にやく10万しゅ。体長1mmにみたないとても小さなものから大きいものでは4cmもあるものまで。膜翅目に属し、アリに近いこん虫だ。 |
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スズメバチとアシナガバチには「女王バチ」と「はたらきバチ」がいて、みんなで助け合って子どもたちの世話をする。「女王バチ」は冬をこして春に「す」を作り、タマゴをうむ。「す」の中で、よう虫は小さな部屋の中で育ち、子どもをうまないメスの「はたらきバチ」によってかみくだかれた虫のエサがあたえられる。グループが大きくなるにつれ、「す」も大きくなる。
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(春) スズメバチのなかまは、ふつう4〜5月にかけて越冬から目ざめた「女王バチ」が1ぴきで巣作りを始める。 |
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(夏) 7月ごろに「はたらきバチ」が羽化してくると「す」は急速に発たつし、「はたらきバチ」の数が数千ひきにたっするするキイロスズメバチのようなしゅるいもある。「す」に近づくと、こちらから手を出さなくてもこうげきしてくるので、キケンである。スズメバチにさされるというひがいも7〜10月に集中している。 |
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(秋) 秋になると「す」から新しい「女王バチ」と「オスバチ」が生まれ、それらが
交尾する。 |
(冬)
交尾後、新「女王バチ」のみが越冬する。前の「女王バチ」、「はたらきバチ」、「オスバチ」は越冬前に死ぬ。したがって、スズメバチの「す」はどんなに大きくても1年かぎりであり、毎年新しく作り始められる。 |
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スズメバチのなかまは、せい虫自身のえさをとるため、樹液、花のミツ、じゅくしたくだもの、アブラムシやカイガラムシが出すしる、キノコ(シラタマタケ)、さとうをふくむジュースなどに集まる。
また、よう虫のエサとして、さまざまなこん虫(チョウ、ガのよう虫、セミ、ハエ、アブ、バッタ、甲虫類、他しゅのハチなど)や小動物(カエル、ミミズ、ほした魚やイカなど)をかる。 |
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社会生活のぶたいとなるのがハチの「す」。
よく知られているのは、のき下や木のえだにぶら下がったスズメバチの白い「す」。
「す」の形はハチのしゅるいによってことなるが、社会生活をいとなむハチのうち、ミツバチやマルハナバチのなかまは、体から出すロウで「す」を作り、スズメバチやアシナガバチのなかまは木や草のセンイをかためて「す」を作る。
「す」の中にはたくさんの小さな部屋があり、タマゴやよう虫、サナギが一つずつ入っている。キイロスズメバチやオオスズメバチの「す」には部屋が5000コいじょうもある。
ミツバチいがいの「す」は、たいてい1年だけしか使用されない。冬になると女王バチをのこして全部死んでしまうからだ。 |
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(1) 命がけでハリをさすミツバチ
多くのハチはハリを持つしゅるいだ。しかし、ハチのハリは卵管(タマゴをうむためのくだ)がへんかしたもので、メスのハチだけについている。これでさすと同時に毒液を注射するが、命にかかわることはめったにない。
ミツバチの「はたらきバチ」のハリの先には「つりばり」のような「かえし」がついていて、ハリをつきさすすと、ぬけなくなり、ハリがちぎれて死んでしまうが、それいがいのほとんどのハチは何度もくり返してハリを使うことがきる。
(2) とも食いで食りょうかくほ
花から花へとび回ってあまいミツをすうのはミツバチ。しかし、ハチの食べ物はそれだけではない。スズメバチやアシナガバチのように、こん虫やクモをつかまえて食べるハチ、ハバチのように植物の葉を食べるハチなどさまざま。肉食せいのハチでは、食物が少なくなってくると「す」の中のサナギを食べてしまう場合もある。 |
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(1) さす
ハチのがいといえば、まず人や家ちくをさして毒液を注入すること。むれをなしておそわれると、人や牛馬でさえも死ぬことさえある。しかし、ほとんどのハチはこうげきを受けたときいがい、自分からハリを使うことは少ない。
さされるととてもいたく、一度ハチにさされた人がふたたびさされると、アナフィラキシーといって、場合によっては死にいたる場合もある。また、ハチの「す」が住まいの近くにあると、ハチがたくさんとぶようになり、とてもこわい。
(2) 園げい家のきらわれもの
キバチのなかまは、よう虫が木のみきに入って木をかれさせ、ハバチのなかまは農作物や園げい植物の葉を食べてしまう。また、タマバチのなかまは植物のえだにタマゴをうんでコブのような虫えいを作る。 |
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(1) はだを出さない
なるべくはだを出さないようにする。スズメバチの生息地に入る時は、黒っぽい服を身につけない。なぜならば、スズメバチは黒いものを見るとこうげきするため。だから頭のかみの毛もぼうしなどでかくしたほうがよい。
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(2) ハチの「す」に近づかない
ハチの「す」をぼうでたたいたり、石を投げたりして、しげきをあたえないようにする。知らずに「す」に近づくなどして、ハチにおそわれそうになったら、目をさされないように、顔をうででかくしながら、すぐにその場からにげること。 |
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(3)反げきせずに、にげる
こうげきしていると思われないよう、うでで追いはらったり、あばれたりしないこと。にげられないと思ったら、地面にふせるなど、できるだけひくいしせいをとり、顔や頭をかくしし、じっとしていること。 |
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さされた所をひやす。
ポイズンリムーバー(どくぬきき)があれば使用ほうにしたがってどくぬきをする。
ミツバチならどくばりがのこっていないか調べ、あればぬき、「こうヒスタミンなんこう」をぬっておく。目のまわりをさされたり、気分が悪いなど全身しょうじょうがある場合やショックしょうじょう(ひやあせ、ふるえなど)を起こしたら、すぐに病院に行くこと。
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益虫のハチをのこし、害虫バチだけを駆除するのはむずかしい。
とくに、ハチのなかまはこん虫の中でも毒薬に対する抵抗力が弱いので、殺虫剤のいっせい散布には十分な注意がひつよう。
スズメバチの「す」が家の中や近くにできてしまってキケンなじょうたいならば、早めに害虫駆除のせんもん家に相談すること。 |
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(1) 花ふんをとどける益虫
ミツバチのように花のミツをすうハナバチのなかまは、ミツとともに花ふんの配たつをするため、くだものを育てるうえでは、ありがたい虫。とくにウリやバラ科のくだものの中にはハチがいないと実をむすばないというしゅるいも少なくない。
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(2) 害虫たいじにもひと役
スズメバチのなかま、アシナガバチのなかま、ドロバチのなかま、ジガバチのなかまなどは、青虫やヨトウムシなど植物がい虫の
天敵として知られている。このほか、アナバチはゴキブリを、ツチバチはコガネムシのよう虫をつかまえて食べ、カイガラムシやアブラムシを食べる寄生バチも多くいる。
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(3) 生態系をささえる
多くのハチたちは、ウグイスやメジロなどの小鳥のエサになる。また、クマやタカは、ハチの「す」ごとおそってよう虫やハチミツを食べる。 |
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(1) 「ハチの子」は高級品
岐阜・長野・栃木地方では、ハチのよう虫を「ハチの子」とよび、食べる習かんがある。とくにビタミンAがほうふで、牛肉やブタ肉の40倍いじょうもふくまれている。「ハチの子」はとてもきちょうで、ふつうのお店にならぶことはめずらしく、ならんでいてもとても高い。
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(2) 薬としてのハチ
「ハチのどく」は、多発性硬化症のちりょうに使用されることがある。しかし、体しつによってはアナフィラキシーショックにおちいるおそれがあるため、お医者さんいがいが使用してはならない。
(3) 信仰や地域おこしの対しょう
日本のかく地で、ハチは信仰の対しょうとなっている場合がある。また、岐阜県加子母村では村ぐるみで保護運動が行われ、岐阜県串原村で「ヘボ・コンテスト」、愛知県設楽町では「蜂の巣コンクール」が開かれるなど、地域おこしのテーマにハチが使われることも多い。 |
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