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北海道・本州・四国・九州の町の中、やぶの中、家の中/よう虫(ボーフラ)は水たまりや池・ぬま |
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コガタアカイエカ、シナハマダラカ、ヒトスジシマカ、オオクロヤブカ/カのなかまは世界中にやく2500しゅ、日本にも100しゅいじょうおり、そのうち「衛生害虫」として、じゅうようなものは20~30しゅくらい。 |
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タマゴ:100~300この船がたのタマゴのかたまりを水面にうみつける。
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▼1~2日でふ化
よう虫:タマゴの下から小さなボーフラが出てくる。
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▼6~8日でサナギ化
サナギ:4れいをすぎ、4回だっ皮をくり返して、オニボーフラになる。
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▼2~3日で羽化
せい虫:身体を水の上に出しながら、オニボーフラの皮をぬいでカになる。せい虫のじゅ命は1~2ヵ月。羽化後数日でこうびをはじめ、血をすってさんらんする。 |
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●人間や牛、馬、ブタ、ニワトリなどせきつい動物の血をすうのはこうび後のメスのみ。1ぴきのカの体重はやく2~3mgだが、十分に血をすったカは6~7mgの体重になる。 |
●自分の体重の2~3倍も血をすうため、はらがふくれ、重くなりすぎて時には動けなくなる場合もある。
この血はタマゴをうむためだけにりようされ、生活エネルギーにはならない。
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●タマゴをうまないメスは、オスと同じように、花やくだものなど植物のしるをすって生活する。
●よう虫のボーフラは、魚の死体や水棲こん虫の死体などを食べる。
●時には、水の中を動き回り、頭の上についた毛を使って動物せい・植物せいのプランクトンをつかまえて食べる。 |
●こきゅうは、おなかの「こきゅうかん」を通して水面から空気を取り入れる。
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●サナギ化してオニボーフラになると何も食べなくなる。 |
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●カの生まれこきょうは水のあるところ。
●しかし、水さえあればどこでもいいというわけではなく、しゅるいによってだいたいタマゴをうむ場所が決まっている。
●アカイエカの場合は、下水こう・ひりょうだめ、ぼうか用水、じょうかそうなど。
せい長し、羽を持ったカはこきょうをあとにとび立ち、その行動はんいは発生場所から遠くても数kmと言われている。
ただし、コガタアカイエカは何kmもはなれた場所までとんでいく。
●ヤブカるいは、ほとんどが草むらなど戸外で生活するが、家や家ちく小屋できゅう血活動をするコガタアカイエカやシナハマダラカも、休息する時は屋外の草むらなどにひそむ。
●アカイエカはそのまま人家や家ちく小屋のカベにとまって休息する。 |
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(1) 冬のカはどうしているのか
カはしゅるいによって次のような形で冬をこす。
●タマゴでえっ冬:ヤブカ属
●よう虫でえっ冬:トウゴウヤブカ、ヤマトヤブカ、オオクロヤブカ、ヤマトハマダラカ
●せい虫でえっ冬:アカイエカ、シナハマダラカ、カガタアカイエカ
●冬も活動:チカイエカ
多くのカは春から秋までの暑いきせつに活動するが、「チカイエカ」のように寒さにも強く、ほとんど一年中活動するカもいる。 |
(2) 血をすうのは昼?夜?
おもなカのきゅう血活動時間は明るさによって夜がたと昼がたの2タイプに分けられる。
●夜間きゅう血がた:ハマダラカ属、イエカ属、ヌマカ属
●昼間きゅう血がた:ヤブカ属、クロヤブカ属、ナガハシカ属
(3) こうびは一生に一度、うわきをしないメス
●アカイエカ、コガタアカイエカなどは、夕方、オスがたくさん集まって空中でつくる「蚊柱」の中にメスがとびこんで交びする。
●これに対してヤブカなどの交びは1対1。
●オスのカはひんぱんに交びするが、メスのカは一生に一度だけ。メスのカラダの中には「貯精のう」があり、一回の交びでこのふくろに精子をたくわえ、その後の「産卵」のたびにこのふくろから精子を小出しにして受精する。
●メスは血をすったあと、数日でタマゴを産むという作業を一度の交びで一生の間に数回もくり返す。 |
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(1) 「うるさい」「かゆい」不快害虫
●耳ざわりな羽音もさることながら、カにさされたときのかゆさはたまらない。
●しかし、カに血をすわれて貧血を起こしたという話も聞かず、かゆいといっても毒性のものではなく、たんなるアレルギー反のう。カにさされたときに注入される唾液に対するアレルギー反のうだ。
(2) おそろしい伝染病をうつす
カの害でもっとも気をつけなくてはいけないのは、「日本脳炎」「フィラリア症」「マラリア」「デング熱」「黄熱」「西ナイル脳炎」などの伝染病をつたえることだ。 |
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カは動物の出す二酸化炭素、水蒸気、熱などを感知して近よってくる。だから運動直後や、お酒を飲んで体温が上がっている人などはさされやすい。カの口はハリのようになっていて、中心にはストローが、そのまわりにそれをおおうサヤがある。一番外がわはナイフのようになっていてきゅう血のさいに皮ふを切りさく。同時に唾液を注入していたみをまひさせ、動物に気づかれるのをおくらせる。また、唾液とともに様々な病原体をうつすことがある
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(1) はだを出さない
風とおしが悪くて暗い場所や、やぶの中にはカがいるものと考え、気をつける。夜間や、昼間でもやぶの近くでは、なるべくはだを出さないようにする。
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(2)虫よけを使う
「どこでもベープNo.1NEO(ネオ)」のような電池式蚊取り(でんちしきかとり)や、「スキンベープ」などのスプレー式のカよけをはだにふきつけてから出かける。
(3)屋内では?
「ベープマット」「ベープリキッド」「どこでもベープ」「おすだけベープ」などがおすすめ。また、ねるときは昔ながらの「
蚊帳」をつるのも有こうだ。 |
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さされた場所をひやす。「虫さされなんこう」をぬっておく。
かゆくてもかかずにがまんすること。 |
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ポイズンリムーバー(どくぬきき)があれば使用ほうにしたがってどくぬきをする。しかし、あくまで一時てきなアレルギーしょうじょうなので、がまんしていればやがてかゆみはおさまる。 |
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カには多くのしゅるいがあり、よう虫の発生げんやせい虫のしゅるいによって駆除方ほうもかわってくる。カの駆除は、それぞれのカの生たいを知ったうえで、ねらいをしぼって、てき切な方ほうをとらなければならない。
(1) 水たまりを減らす
よう虫の発生げんは水のあるところ。水のたまりやすい、空きカンや空ようき、古タイヤなどを家のまわりにおかないようにする。植木ばちの受け皿や雨よけシートのたるみなどにも雨水がたまりやすく、知らない間にボーフラが発生していることがあるので、たまった水をこまめに捨てるようにしよう。
また、防火用水やくみおきの水など、すてることのできない水たまりには、メダカやカダヤシ、金魚などの魚を入れておくと、ボーフラを食べてくれる。
ただし、魚を入れたら、殺虫剤を使わないようにすること。
(2) 家の中では?
昔から行われてきたのは、住まいや家ちく小屋のまどに防虫網をはってカのしん入をふせぐ方ほう。また、家の中に入ってしまったカには「ベープマット」「ベープリキッド」「どこでもベープ」「おすだけベープ」などが安全で有こうだ。
(3) 家のまわりは?
ヤブカがたくさんいそうなヤブの中などに「ヤブ蚊バリア」などのスプレー式殺虫剤をスプレーする。 |
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(1) 生態系をささえるのだ
ボーフラはトンボのよう虫(ヤゴ)などの昆虫や小魚のエサ、せい虫はトンボ、カエル、小鳥、コウモリなどのエサとなる。また、観賞魚用のエサとしてペットショップなどで売られている。 |
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(1) コウモリのフンにふくまれるカの目玉は中華料理の高級食ざい!?
コウモリはカを食べるが、カの目玉は消化されずにフンの中にはい出される。このフンを水にさらすと目玉だけがのこり、中華料理ではとても高級な食ざいとして大事にされている。ただし人間が食べるだけのりょうをとるのはたいへんで、一皿数十万円もするらしい。
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(2) 文芸やスポーツの中のカ
昔からカは人々にきらわれるいじょうに親しまれてきた。地名に「蚊
」の文字がつくところも多く、能や狂言といった伝統芸能の題ざいにもなり、夏の季語として俳句でも多く歌われている。また、ボクシングの世界にも、英語で「カ」を意味する「モスキート級」という階級がある。 |
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(3) カ取りのれきし
か取り線こうが日本で使われるようになったのは明治時代に入ってから。それまではミカンの皮、ヨモギの葉などをいぶして「カやり」にしていた。
さいきんは少なくなった「蚊帳」が使われるようになったのは古代エジプト時代から。
日本でも中世いご、いっぱんに使われるようになった。
このほか、カよけやカたいじに人々はいろいろくろうしてきたようで、あのブルージーンズも、毒蛇よけのエピソードが有名だが、一せつには、カよけのために藍でそめたものだとか。野原での作業には、やはりカは大てきだったのだろう。 |
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